コンビニ店舗数は5万7千店舗に迫る勢い。コロナ禍で出店ペースは相当に落ちましたが、今後もさらに増えていくでしょう。
そんな身近なコンビニの内情について
儲からない。悲惨。奴隷的。
などネガティブなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
そんなコンビニオーナーの実情を紹介していきましょう!
目次
コンビニオーナーの仕事とは?単店舗と複数店舗
コンビニオーナーの働き方はお店によって様々ですが、大きくは単店舗経営と複数店舗経営で別れます。
近年は各コンビニ本社が新規オーナーの減少や、個店利益の減少から複数店舗化を推奨してきており、今後この流れは強くなっていくでしょう。
プレイングマネージャー的な働き方
単店舗経営に多い働き方です。
自らシフトに入ってレジ・清掃・発注・納品。売場整理などを行いながら、従業員教育、週次月次計画立案など、店舗に関わることをすべて行います。
スーパーバイザー的な働き方
基本的にシフトはアルバイトや社員に任せ、各店に店長を立て、店をじっくり観察し、強みを生かし、弱みを改善しながら売り上げを上げる戦略を立てます。
立てた戦略を社員や時間帯責任者などと共有し、全アルバイトまで落とし込む必要があります。
店長育成や店長のモチベーション管理が大きな仕事です。
単店舗経営のメリット・デメリット
私は約13年間、某大手コンビニ加盟店として経営をしており、一時は4店舗まで複数化しましたが、現在は2店舗で細々やっています(笑)
単店舗経営のメリットは
従業員、お客様に直接関わることができる。
商売を始めた時の気持ちは
お客様に喜ばれる地域に根差したお店にしたい!
従業員と力を合わせて地域一番店になるぞ!
と意気込んでいたものです。
自身が現場の最前線に立って直接従業員やお客様と触れ合うことにやりがいを感じる。という方は単店舗経営が向いているでしょう。
プレイングマネージャー的な立場のオーナーさんが多いです。
また、自身が最前線に立って経営・運営することで、自身の理想のお店を形にしやすいというメリットもあるでしょう。
人件費が抑えられる
近年、深夜閉店をする時短店舗が少しずつ増えてきましたが、基本は年中無休・24時間営業です。
今年も10月1日から最低賃金の改正があります。東京都は1,072円になり31円引き上げです。
全時間帯を2人シフトにすると、1日の人件費は51,456円
1日当たり1,488円。月にすると多い月で46,128円の人件費増加になります。
売り上げを上げてカバーするのには、1日当たり約18,000円の売り上げ増加が必要になります。
これは店舗の努力で達成することが難しい数字です。
単店舗オーナーであれば、最悪自身のシフトを増やすことで収入減を抑えることができますが、複数店ではそうもいきません。
自身を労働者として活用することで人件費を下げられるのも、単店舗のメリットでしょう。
単店舗経営のデメリットとは?
一番のデメリットは
利益(収入)に限界がある。
ということでしょう。コンビニ飽和といわれる時代、1店舗で取れる利益は少しずつ減ってきています。
よほど売り上げに恵まれていないと、1店舗で大金持ちになることは不可能でしょう。
1店舗をとことん突き詰めたい!利益は生活できる分だけで十分!
という方は単店経営もいいでしょう。
リスクの分散ができない。
競合の出現や外的環境の変化などで売り上げが下がってしまったら、一気に収入は落ちます。
最悪の場合生活ができないレベルまで落ちてしまいます。
他に利益の取れる店舗を持っていれば、影響を最小限に抑えることができるでしょう。
複数店舗経営のメリット・デメリット
メリット1
リスク分散ができる。
どこかの店舗が競合の出現等で売り上げが下がっても、他の店舗でカバーができる。
というメリットは大きいでしょう。しかし、立地選びには注意が必要です。
コロナ禍のコンビニは、駅前立地が瀕死になり、住宅立地が売り上げを伸ばしました。
複数ある店舗のすべてが駅前立地であったオーナーさんには、大きな借金を抱えてしまった方もいます。
リスク分散には立地条件の分散も必要かもしれません。
また、2店舗経営が一番苦しいともいわれています。
2店舗経営ではほとんどの場合、使える人件費もそれほど多くはないので、2店舗のシフトを入りながら従業員の育成をする状態になります。
アルバイトの急な欠勤で2店舗の同時間帯のシフトが埋まらない。など精神的にも肉体的にも単店舗よりも厳しくなったオーナーさんが多いです。
分身したい!と本気で思います。(笑)
そこを乗り越え、3店舗4店舗と拡げていければ体力的には大分楽になってきます。
メリット2
現場に立つ時間が減る
店長を育てて各店に配置し、日々の執行度を管理する立場になれば、自身が現場に立つ必要がなくなります。
店長フォローや各店の戦略立案、うまくいっていない場合の早めの軌道修正が主な仕事になるでしょう。
オーナーさんの高齢化が進んでいる業界でもあります。
現場での立ち仕事はなかなかにハードです。長く続けるには誰かに任せる。店舗を増やし各店から薄く利益を取る。使える人件費が増えるのは複数店のおおきな魅力です。
うまくいっているオーナーさんの中には、週2出勤であとは遊んで暮らしている。なんて話も聞きます。羨ましいですね!(笑)
デメリット1
ある程度の売り上げがないと単店舗経営よりも苦しくなる
単店舗経営の時は、売り上げが少なければオーナーさん自らシフトに入ることによって人件費を調整できましたが、複数店舗となるとそうもいきません。
売り上げが30万円の店舗と60万円の店舗では人件費はあまり変わりません。
全時間帯1人勤務させることもできないため、人件費は一定以上は下げられないのです。
複数ある店舗がすべて売り上げ不振店になってしまった場合、赤字経営となることも十分にあり得ます。
立地の選定がとても重要なのが複数店経営です。
デメリット2
深刻な人手不足
コンビニ業界は慢性的に人手不足です。
理由は様々かと思いますが、世間の学生さんの印象は
時給が低い
覚えることが多すぎる
また、中には
コンビニバイトは底辺職
誰でもできる仕事
などという声も聞こえてきます。
コンビニバイトに対する世間のイメージはあまり良いとは言えません。
また、コンビニの仕事は分業制ではないうえ、時間帯によっては学生アルバイトしか店にいないこともあります。
一通りすべての仕事ができないとイレギュラーなお客様対応や、コピー機などのトラブルに対処できません。
ご存じのように今や何でも屋となりつつあるコンビニでアルバイトが覚える量は膨大になります。
もちろん1つ1つ丁寧に教え時間をかけて覚えてもらうのですが、アルバイトによっては研修の段階で覚えることの多さに圧倒されてしまい、3日で来なくなる。なんていうのは日常茶飯事です。
オーナーの体は1つしかありませんので、複数店経営の場合、店が回らなくなり店長に労働基準法に違反した労働をさせがちです。
最悪の場合店長も耐え切れずに退職し、より一層人手不足が深刻になることも。
コンビニは本部と強い契約で結ばれているため、人手不足で一時閉店ということも許されません。
複数店は人が命ともいえるでしょう。
コンビニバイトのメリットは?
色々と言いましたがコンビニバイトのメリットもあります。
やる気次第で店舗運営のすべてが勉強できる。
オーナーさんの考え方にもよりますが、コンビニバイトは分業制でない分、やる気次第では通常のアルバイト業務に加え発注や従業員教育、更には経営数値管理まで任せてもらえることができます。
将来店舗運営をしてみたい!
小さな店の運営をしてみたい!
将来コンビニオーナーになりたい!
という方には大きな学びの場となるでしょう。
特にコンビニオーナーを目指す方には、各社独立支援制度もあります。
加盟金免除など様々な特典もあり、実際の店舗運営を体験してから独立できるメリットは大きいでしょう。
まとめ
- 年収は0~数千万円まで様々
- 働き方は単店舗と複数店舗で違う
- 立地選定が最重要
- 店舗運営を学びたいならコンビニでアルバイトしよう!
その他細かいところは追々書いていきたいと思います!
コメント